第3話
見えないところがおしゃれだった
江戸のおしゃれには
ある特徴がある。
それは
見えないところにこだわる
ということ。
着物の袖の裏。
羽織の裏。
長襦袢。
そこには大胆な柄が描かれていた。
波。
龍。
虎。
山水の景色。
ときには
小さな物語のような柄もあった。
外から見ると
ただの地味な着物。
けれど着る人は
その裏の柄を知っている。
これが
とても面白い。
現代のファッションは
どうしても
「見せる」
ことを前提にしている。
しかし江戸のおしゃれは
少し違う。
誰かに見せるためではなく
自分が楽しむための美しさ
だった。
江戸の町人は
とてもさっぱりしている。
粋で
気取らない。
でもどこか
カッコいい。
それは
こうした美意識があったから
なのかもしれない。
