第9話 江戸のおしゃれは自己満足だった

江戸の粋という言葉には
不思議な魅力がある。

粋な人。

そう聞くと
どこかカッコいい印象を持つ。

しかし粋という言葉は
派手さとはまったく違う。

江戸のおしゃれは
誰かに見せるためのものではなかった。

袖の裏にある柄。
羽織の裏の絵。

それは
外からは見えない。

それでも人は
そこに心を込める。

なぜだろう。

それはきっと

自分が気持ちよく生きるため

なのだと思う。

江戸の人たちは
人に自慢することより

自分の中の美意識を
大切にしていた。

見せるおしゃれより
感じるおしゃれ。

だから江戸の粋は
静かで、さりげない。

そして
とてもカッコいい。

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